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大気中微小粒子状物質サンプラ(MCAS-03)

イメージ1大気中微小粒子状物質サンプラは、環境大気中の微小粒子状物質を捕集するためのサンプリング装置です。
気温、大気圧等を計測し、分粒装置のカットオフ特性と設定流速での吸引を維持し、的確な試料採取を行います。その際に測定した気温、大気圧等のデータは、サンプラ本体に記録されています。サンプリング後の分析結果に対して、必要であれば、これらのデータを元に補正等を行うことも可能な高性能サンプラです。


【ムラタの取り組み】

近年、大気中の微小粒子の健康影響に関する関心が高まっており、国内においてもPM2.5と呼ばれる粒径が2.5μm以下の粒子を測定し、評価する取り組みが進められています。
平成12年9月には、環境庁大気保全局企画課より「大気中微小粒子状物質(PM2.5)質量濃度マニュアル」が発行されました。しかしながら、マニュアルで要求されている性能を有するサンプリング装置が、当時国内ではほとんどなく、各研究機関から開発を望む声が多く聞かれました。
これを受けムラタでは、直ちに、このサンプラの開発に着手しました。
開発当初より、採取部を取り替え式にすることで、サイクロン方式やインパクタ方式などの様々な分粒器に対応できることはもとより、大気中のアスベストや悪臭・その他の有害大気汚染物質などのサンプリング装置としても活用できるよう考慮し、汎用性を持たせた設計となっております。
現在、このサンプラを利用した調査の実績や経験も多数保有し、安心してご利用頂けるサンプラとして、自信を持ってお届けします。


 

【サンプラの特徴】

  • 全体
    • 小型軽量の全天候型なので場所を選ばず設置が簡単
    • タイマー設定によるサンプリング開始及び終了の自動制御
    • 高速型漏電ブレーカを内蔵しているので電源供給が安心
    • 停電による一時停止の発生時刻と停電の継続時間を記憶(サンプリング終了後に確認)
  • 試料採取部
    • PM2.5のサンプリングにおいて、アメリカ環境保護庁の規格と同等な分級装置を採用
    • その他、分級装置を外すことで、大気中のアスベストや様々な有害大気汚染物質の調査に対応可。
  • ポンプ部
    • マスフローメーターの流量信号と、温度・気圧センサーの信号で常に設定流速に制御
    • 流速制御は、質量(20℃、1atm)または体積(温度、気圧補正)のいずれかを選択
    • 積算流量、平均流量、流量変動係数、平均温度等のデータを、最新測定回からさかのぼること過去最大10回分のイベントデータとして保持
    • 気温・大気圧等を記憶し、RS-232Cのインターフェイスでパソコン等へ転送可能
    • サンプルの分径特性を確保するため、サンプリグ中の流量が設定流量に対し約5%低下し、かつ、1分以上連続した場合、サンプリングを自動的に停止。(停止時までのサンプリング時間について、分粒特性を確保)
    • 流速設定が可変なので、分粒特性の異なるサンプラにも対応可能(MCAS-03-40は、ローボリウムアンダーセンエアサンプラのポンプとして利用可能など)

【大気中微小粒子状物質サンプラの仕様】

機器の仕様は下記表に示すとおりです。

  •  試料採取部の仕様 
PM10用インパクタ 空気動力的粒径が10μmの粒子を50%カット
PM2.5用インパクタ 空気動力的粒径が2.5μmの粒子を50%カット

 

  •  ポンプ部の仕様
形式 MCAS-03-20 MCAS-03-40
設定流速範囲
(単位:L/min)
10 – 20 20 – 40
流量計 マスフローメータ
温度計 白金測温体 Pt1000
気圧計 半導体圧力センサー
吸引ポンプ フリーピストン方式
外部インターフェイス RS232C準拠
温度 / 湿度の使用範囲 0 – 40℃ / 10 – 90%(結露なきこと)
電源 AC100V 50/60Hz 50VA AC100V 50/60Hz 100VA
寸法
(本体部 単位:mm)
325(W)×390(D)×227(H)
本体重量 約12kg 約15kg

 


【用語解説】

  • PM2.5
     大気中に浮遊する粒子のうち、空気動力学的粒径が2.5μm以下の粒子が50%捕集されるような特性曲線を持つ分級装置で分級された粒子のこと。

 


【関連WEBサイト】

  • 技術情報 環境関連の技術情報を分かりやすく解説。
  • MURATA’S Quarterly 社内四季報。
  • 社員ブログ 会社のイベントやこぼれ話、社員のプライベートなどをご紹介。
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